『読んだ』人だけが『聴こえる』、恩田陸「蜜蜂と遠雷」

「蜜蜂と遠雷」は関連商品として、多くのCDが発売されています。
ですが種類が多いために、かえって何を選べばいいのかわかりづらくなっているのが現状です。

どれに何の曲が入っているの?
特典はついているの?
「蜜蜂と遠雷」オリジナル曲である「春と修羅」は聞くことができるの?

このページで、それぞれの特徴をお伝えします。
またおまけとして、楽譜集やコミックスもまとめました。
ぜひご参考にしてくださいね!

なお収録曲が膨大なため、曲名一覧はあえて書いていません。
公式サイトや通販ページにてご確認をお願いします。

CD

「蜜蜂と遠雷」 音楽集

2枚組CD 19曲
恩田陸の書き下ろしエッセイ

いわゆるコンピレーションアルバム(既存音楽を編集してまとめたアルバム)で、物語に登場した曲のうち、19曲が選ばれて収録されたものです。

このCDには恩田陸が書き下ろしたエッセイが付属しています。
エッセイは短編集「祝祭と予感」に収録されていません。
そのため2020年1月現在では、このCDを購入しないと読めないということになります。
ただし、恩田陸はこれまでにエッセイ集を発売したこともあります。
今後書籍としてこのエッセイを読める可能性は大いにあるでしょう。

「蜜蜂と遠雷」 その音楽と世界

2枚組CD 17曲
短編「伝説と予感」

こちらも17曲が収録されています。
上記の「音楽集」と異なるのは、選曲だけでなく、「蜜蜂と遠雷」本編には登場していない作品4曲が入っている点。
恩田陸自身が主人公4名をイメージした選曲で、演奏者も意識して選ばれたようです。
短編「伝説と予感」は、短編「祝祭と予感」に収録されています。

そのため、恩田陸が選んだ原作にない4曲を聞きたい方は、このCDを選ぶと良いでしょう。
本編だけでは分からない4人のコンテスタントたちの魅力が、この4曲で味わえるかもしれませんね。

「蜜蜂と遠雷」 ピアノ全集+1[完全盤]

全52曲・8枚組CD(「春と修羅」あり)
短編「祝祭と掃苔 入賞者ツアー」

こちらは、次にご紹介する「ピアノ全集」に「春と修羅」が追加されたアルバムです。
基本的にはこちらの「+1」を購入するのをおすすめします。

メインは4名のコンテスタントが作中に演奏した、コンクール課題曲です。
さらに追加された「春と修羅」は、映画公開に合わせて作曲された原作オリジナル曲。
作中ではコンクールの課題曲として、日本人作曲家・菱沼忠明が書き下ろしました。

実際の作曲は藤倉大(ふじくら だい)さんが担当しています。
管弦楽やオペラ・アンサンブルなど多くの作品を発表している、現代音楽の作曲家です。数々の賞をとり、現在はイギリスのロンドンに在住しています。

主人公4人がそれぞれ演奏する「カデンツァ」(自由に演奏する部分)も、原作を熟読した藤倉さんが4パターン作曲。
4人の個性だけでなく、その時登場人物が何をどう感じて考えていたかがわかるような曲になっています。

短編「祝祭と掃苔 入賞者ツアー」(しゅくさいとそうたい)は、短編集「祝祭と予感」に収録されています。

「蜜蜂と遠雷」 ピアノ全集[完全盤]

全51曲・8枚組CD(「春と修羅」なし)
短編「祝祭と掃苔 入賞者ツアー」

ひとつ上に記した「+1」が発売される前、2017年に発売されたCDです。
値段もこのアルバムより「+1」の方がお安いので、基本的に「+1」を購入した方が良いでしょう。
どちらも「完全盤」と書かれていることに注意が必要です。

「+1」同様、短編「祝祭と掃苔 入賞者ツアー」は、短編集「祝祭と予感」に収録されています。
ちなみに掃苔(そうたい)とは、苔を掃除して取り除くこと。転じて、墓参りを指します。

映画「蜜蜂と遠雷」 ~ 河村尚子 plays 栄伝亜夜

映画「蜜蜂と遠雷」~ 金子三勇士 plays マサル・カルロス・レヴィ・アナトール

映画「蜜蜂と遠雷」〜 福間洸太朗 plays 高島明石

映画「蜜蜂と遠雷」〜藤田真央 plays 風間塵

映画で演奏部分を担当したピアニスト4名のアルバム

映画にて登場人物のピアノ部分を担当した、現役プロ奏者の演奏をそれぞれ収録したCDです。
この4枚は、プロピアノ奏者それぞれにフォーカスを当てたCDといえるでしょう。
新しく収録された曲も多いので、クラシック玄人の方や奏者のファンも楽しめます。
劇中のコンクール課題曲から選曲されており、実際に劇中で使われた音源も。特に映画を観た方におすすめです。

ちなみに、映画「蜜蜂と遠雷」の公式サイトには、演奏者の紹介ページもあります。
奏者のコメントもありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
ピアニスト:音楽 映画『蜜蜂と遠雷』公式サイト

映画「蜜蜂と遠雷」オリジナル・サウンドトラック

映画のサントラ、劇中音楽(クラシック・「春と修羅」は未収録)

こちらは上記の音楽集とは少し異なり、映画で使用されるために作られた楽曲のサウンドトラックです。
作曲者は篠田大介(しのだ だいすけ)さん。映画だけでなく、アニメ・ドラマやCMの楽曲も手掛けています。
コンクール課題曲などのクラシックや「春と修羅」は収録されていません、ご注意ください。

楽譜

CD以外にも、実際に演奏したい方向けに楽譜が発売されています。

公式楽譜集 映画『蜜蜂と遠雷』より

この楽譜集は、藤倉大さんが作曲した「春と修羅」が収載されたものです。
4人の登場人物たちそれぞれのカデンツァ(自由に演奏する部分)も用意されています。
さらにボーナススコアで、劇中で亜夜と塵が連弾した「ムーン・メロディ」の楽譜も。
ドビュッシー「月の光」、もとはブロードウェイの劇中歌で数多くのジャズ奏者や歌手に相しまれてきた「IT’S ONLY PAPER MOON」、そしてベートーヴェンの「月光」をアレンジしたものです。


映画『蜜蜂と遠雷』亜夜と塵の月夜の連弾【10月4日(金)公開】

コミックス

「蜜蜂と遠雷」を原作にしたコミックスが、幻冬舎のweb漫画サイト「comicブースト」にて連載中です。
作画は皇なつきさん
歴史的な作品や現代物・ファンタジーまで幅広いジャンルを、繊細なタッチで描く方です。
漫画だけでなく、ゲームのデザインやイラスト・小説の挿絵などを多く手掛けています。

コミックスは2020年1月現在、第1巻が発売されています。
サイトでは無料で読める部分もありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
「蜜蜂と遠雷」WEBマンガサイト【comicブースト】

皇なつき(@sumenasu)さん / Twitter
好古(皇なつきさん公式サイト)

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